財務省は4日、有識者でつくる財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、美容医療を行う医療機関に対して、負担金を求める仕組みの導入を提唱した。負担金を原資に、医療体制が不十分な地方の人材育成・確保を行う。研修を終えた若手医師が直接、好待遇の美容医療に進む「直美(ちょくび)」に伴う医師の都市部偏在の是正を目指す。
分科会の増田寛也会長代理は、記者会見で「医者不足が顕著な地域がある。負担によって日本の医療が守られていくことにつながる」と述べ、理解を示した。分科会で委員から反対意見はなかったという。
医師や看護師には教育・研修に多額の国費が投じられている。しかし近年は研修を終えた若手が、高額施術で高収入の美容医療に従事する「直美」事例が増加。美容医療の拠点は都市部に集中しているため、地方の救急医療などを支える人材不足を招いているとの指摘がある。
今回示された負担金は、医師や看護師の人数に応じて美容医療を行う医療機関が拠出。「医療人材確保基金(仮称)」を創設し、地方で働く医療人材の養成、確保につなげる仕組みだ。
また財務省は、美容医療によって生じた合併症については、保険適用外とすることを明確にすることも提唱した。美容医療を提供する病院から一定の資金を事前に徴収し、合併症の診療費に充てることも「検討すべきではないか」と主張している。