10.03月25日 | ||
頬(ほお)スワブによるDNA検査で最適なダイエット法の選択が可能に | ||
減量するには炭水化物を減らすべきか、それとも脂肪を減らすべきか。頬(ほお)スワブを用いたDNA検査で最も有効なダイエット法が判明する可能性が、新しい研究によって示唆され、米サンフランシスコで開かれた米国心臓協会(AHA)の2010年栄養・運動・代謝会議で報告された。 米スタンフォード大学(カリフォルニア州)のMindy Dopler Nelson氏らは今回、2007年の研究データを使用。同氏らは、過体重または肥満の女性138人を、1年間、アトキンス法(超低炭水化物食)、ゾーン法(低炭水化物食)、オーニッシュ法(超低脂肪食)または医療従事者のダイエット(米国農務省の食品ピラミッドに全般的に従った低脂肪食)という4種類の人気の高いダイエット法のいずれかに割り付けた。 また、頬の内側からDNA検体をスワブにより採取し、遺伝情報を用いて“遺伝子型に合う適切な”ダイエット法に割り付けた。その結果、遺伝子型に基づく適切なダイエット法群の12カ月目の体重減少は、不適切なダイエット法群の2?3倍であった。最も極端なダイエット法のみ(アトキンス式対オーニッシュ式)を検討した結果はより顕著で、適切なダイエット法群の体重減少は不適切なダイエット法群の約5倍であった。 また、適切なダイエット法群ではHDL(高比重リポ蛋白)コレステロールの改善や有害なトリグリセリドの減少もみられた。Nelson氏は「ダイエット法の種類による体重減少差はさほどでなかったが、特定のダイエット内の体重減少差は劇的であった。遺伝的特質をみれば、特定のダイエットよりもダイエットへの個人の反応が大きいことがわかる。遺伝子型を知ることは減量プロセスを助ける新たなツールの1つである」と述べている。 DNA検査を開発したインターロイキン・ジェネティックInterleukin Genetics社(マサチューセッツ州ウォルサム)のLew Bender氏によれば、肥満に関与すると考えられる何百もの遺伝子から、複数の臨床研究で体重管理に役割を果たすとされている3つの遺伝子、脂肪酸結合蛋白(たんぱく)2、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(ガンマ)、β(ベータ)2アドレナリン受容体を同定したという。別の専門家は「これらの遺伝子多型が熱量バランスに影響する可能性があるという考えは科学的に興味深い。ただし、ダイエット成功の最も重要な予測因子はコンプライアンスである」と指摘している。DNA検査の価格は149ドル(約1万3,400円) |