10.07月01日 | ||
エステティックサービス事業者に対する業務停止命令(6か月)について | ||
秋田県では、本日付けで、エステティックサービス事業者である「有限会社天咲」に対し、特定継続的役務提供(いわゆるエステティックサロン)に関して特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)の違反行為を認定し、特定商取引法第47条の規定に基づき6か月間の業務停止を命じました。 なお、特定継続的役務提供事業者に対する業務停止命令は、本年1月の結婚相手紹介事業者に続き2件目です。 1 事業者の概要 (1) 名 称:有限会社 天咲(てぃんしゃ) (2) 代 表 者:取締役 坂爪 勝亜紀 (3) 本店所在地:山形県鶴岡市美咲町7番29号 (4) 役 務:エステティックサービス(特定商取引法第41条に規定する特定継続的役務提供に該当) (5) 県内の店舗:天咲秋田店(以下店名では「天咲」を省略します。) (秋田市中通一丁目3番37号) (6) 秋田店の売上げ:約1,300万円(平成21年度) 2 取引の概要 有限会社天咲(以下「同社」という。)は、秋田県内においては秋田市内にエステティックサロン(秋田店)を設け、主に人の皮膚を清潔にし若しくは美化し体形を整え又は体重を減ずるための施術を行っています。その契約期間は多くが1か月を超えるもので、支払う金額も多くは5万円を超える金額をローンで支払うものとなっています。 同社の県内の店舗は、かつて秋田店、県南店(横手市)の2店舗が存在していましたが、県南店については平成21年6月に閉鎖され、現在、秋田店のみとなっています。 同社の契約は、エステ中に勧誘するものが多く、中には執拗に勧誘し迷惑を覚える消費者もいました。また、契約の内容を明らかにする概要書面を交付せず、契約書面も交付しないあるいは交付しても記載が不備なものでした。 さらに、「金利が安いローン会社にまとめませんか。」「前のローンは天咲で一括で支 払います。」などと誘い、新たなエステ契約を締結させたうえ、新たなローン会社とローン残金及び新たに契約したエステ料金の合計金額のローンを組ませましたが、実際は ローン残金が一括でローン会社に支払いされることはなく、消費者の口座から2社分が 引き落とされるなど不実のこと告げていました。 その上、消費者が連絡しても連絡が取れず、契約の解除を書面で通知しても返金せず、不当に遅延させていました。 3 業務停止命令の内容 平成22年6月1日から平成22年11月30日までの6か月間、特定商取引法第41条第1項第1号に規定する特定継続的役務提供(同法施行令別表第4の1第1欄に定める役務)のうち、次の行為を停止すること。 (1) 契約の締結についてその勧誘をすること。 (2) 契約の申込みを受けること。 (3) 契約を締結すること。 ※ 既契約者に対する役務提供は、業務停止の対象とはなりませんので、引き続きエステティックサービスの提供を受けることができます。 4 根拠となる法令の条項 特定商取引法第47条第1項(業務の停止) 5 違反行為の事実 同社は、エステティックサービスの提供を行うに当たり、消費者に対し、次に掲げる特定商取引法に違反若しくは該当する行為を行っていました。 ? 概要書面の不交付(特定商取引法第42条第1項) エステティックサービスの提供を受けようとする者と契約を締結しようとするときは、当該契約を締結するまでに、当該契約の概要について記載した書面(概要書面)をその者に交付しなければならないが、交付していなかった。 ? 契約書面の不交付・不備(特定商取引法第42条第2項) エステティック契約を締結したときには、遅滞なく、その契約の内容を明らかにする書面(契約書面)を契約を締結した者に交付しなければならないが、交付していなかった。また、契約を締結した者に交付した契約書面に当該役務提供の契約締結日、契約の期間、時間数、回数その他の数量の総計、役務の対価その他の費目ごとの明細、住所及び電話番号並びに代表者の氏名が記載されておらず、書面に不備があった。 ? 不実告知(特定商取引法第44条第1項第8号) エステティック契約を締結するに際し、「新しいローン会社があって、金利が安くなります。そちらに代えた方は顔のエステが特別安くなります。」「その話しも今日まで。」「前のローンの残債はこちらで一括処理します。」あるいは、「金利の安いローンにまとめて一本化しませんか。」「前のローンはこちらで一括で支払っておきます。」 などと告げて勧誘し、新たなエステ契約を締結させたうえ、新たなローン会社とローン残金及び新たに契約したエステ料金の合計金額のローンを組ませたが、同社において一括返済できないのにもかかわらず「前のローンの残金は天咲で一括で処理します。」などと告げ、特定継続的役務提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について事実でないことを告げた。 ? 債務の返還遅延(特定商取引法第46条第1号) エステティック契約を締結した者が、中途解約を書面で通知し、当該契約が解除されているにも係わらず、契約の解除によって生じる既払い金の返還について、返金に応じず、不当に遅延した。 6 違反事実等を認定した主な事例 別添のとおり 7 秋田県生活センター等における相談件数 平成16年度 3件 平成17年度 4件 平成18年度 8件 平成19年度 3件 平成20年度 7件 平成21年度 26件 平成22年度 6件(5月20日現在) 合計57件 8 今後の対応 (1) 命令の原因となる事実に対する改善措置については、平成22年6月30日(水)までに秋田県知事あて報告をさせます。 (2) 業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して特定商取引法第70条の2の規定に基づき2年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては特定商取引法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科す手続きを執ります。 |