10.09月18日 | ||
ダイエット炭酸飲料と早産の関連が示される | ||
人工甘味料入りのダイエット炭酸飲料の摂取と女性の早期産の増大に関連のみられることが、デンマークでの新しい研究で示された。 医学誌「American Journal of Clinical Nutrition(臨床栄養学)」9月号に掲載された今回の研究は、1996?2002年に実施されたデンマーク人女性6万人が参加した全国調査における、清涼飲料を飲む習慣について検討したもの。その結果、ダイエット炭酸飲料のほか、炭酸入りでないダイエット飲料の摂取にも、早期産との関連が認められた。 研究を行ったStatens Serum研究所(コペンハーゲン)のThorhallur I Halldorsson氏らは、37週以前の出産を早期産と定義。清涼飲料の摂取頻度によって女性を分類し、全く飲まないか週1杯未満、週1?6杯、1日1杯、1日2?3杯、1日4杯以上のグループに分けた。全体で4.6%の女性が早期産であり、そのうち3人に1人は誘発分娩であった。砂糖入り炭酸飲料の摂取と早期産との間には関連がみられなかったが、清涼飲料を全く飲まない人に比べ、ダイエット(人工甘味料入り)炭酸飲料を1日4杯以上飲む女性は早期産の比率が78%高く、炭酸入りでないダイエット飲料を1日4杯以上飲む女性では29%、炭酸ダイエット飲料を1日に1杯以上飲む人では38%高かった。 ダイエット飲料がなぜ特に早期産と関連がみられる理由はわかっていないが、妊娠中の高血圧症が関与しているのではないかと研究グループは推測している。妊娠していない女性を対象とした別の研究では、清涼飲料と高血圧の関連が明らかにされているという。 この知見に対して、飲料業界は異議を唱えている。カロリーコントロール協議会(Calorie Control Council)のBeth Hubrich氏は、「科学文献では圧倒的多数が、妊娠中の低カロリー甘味料の使用が安全であると示している」と指摘。米国飲料協会(ABA)のMaureen Story氏は、今回の研究では因果関係は裏付けられていないと述べている。 一方、米国栄養学会(ANS)のShelley McGuire氏は今回の知見について、「特に誘発分娩による早期産を予防する上で極めて重要なものである」と述べる。別の専門家も、「妊娠および胎児に対する影響を解明するにはさらに研究を重ねる必要があるが、それが明らかになるまでは、妊娠女性はこのような飲料摂取はほどほどにするのが賢明である」と述べている。 |