13.07月26日 | ||
ダイエットできない人の共通点 | ||
私たちは、いつでも健康な体でいたいと願っています。そのために、体重の増減に気をつけている人は多いでしょう。つまり、ダイエットは健康になるための「目標達成」のテーマなのです。 目標達成できない人の理由は、実はダイエットの失敗例にも隠されています。その「5つのワケ」とは、 1.本当にやせたいと思っていない 2.行動が続かない要素が満載である 3.深く考えていない 4.たった1人で黙々とやる 5.いつも同じことをやっている です。 実は、ダイエットが失敗する「5つのワケ」と、目標達成ができず計画倒れになる理由は同じなのです。今回は、この5つのうち3つを簡単に説明していきましょう。 その1:本当にやせたいと思っていない ある夫婦の会話です。 夫:「あーあ。最近、腹が出てきたなあ。走るかな」 妻:「言ってるだけで、どうせやらないんでしょ」 夫:「そんなことないよ。やるさ。今回は」 妻:「じゃあ、いつまでに何キロ減らすのよ」 夫:「……」 この妻の指摘は的を射ています。ダイエットがうまくいかないのは「本気の目標ではない」ことが原因の1つです。ほとんどの場合、本人も心の中では「やせたらいいな」程度にしか思っていません。それは「星に願いを込めて」と同じ“願い”レベルのものでしかないのです。 ダイエットの成功は、本気かどうかに関係しています。本気の人は目標をしっかり立てます。例えば「1カ月で、体重を3キロ減らす」「3カ月で、お腹を5センチ引っ込める」など、期限を定め目標を数値で明確にするのです。目標がなければ何をすべきかが見えてきません。 ところが“願い”レベルの人は、目標が曖昧なのです。「やせて健康になる」といったものは、目標ではなく単なるスローガンです。これでは達成するはずがありません。 実は、ビジネスの場でも同じようなことが起きています。例えば「英語を勉強してグローバルで活躍する」「部下を育成して元気な組織にする」というのは、目標ではなく単なる“願い”です。神棚に向かって拝むレベルにすぎず、実践には結びつかないのです。 その2:行動が続かない要素が満載である 『絶対に達成する技術』(中経出版) 目標達成のためには行動あるのみです。ダイエットをしようとしたときに、考えられる行動は大きく2つに分けられます。「走る」「筋トレをする」「スポーツジムに通う」といった「運動系」の行動か、または「食べる量を減らす」「炭水化物を抜く」「油っぽいものを避ける」といった「食事系」の行動です。しかし、残念なことにどちらも「行動が続かない要素」が満載なのです。 まず「運動系」の行動は、なぜ続かないのでしょう? 理由は簡単。取りかかるのが面倒だからです。「今日は雨が降っているから明日から走ろう」「お酒を飲んじゃったし、筋トレは控えよう」と言っては、先送りしてしまいます。 三日坊主という言葉があるように、誰でも面倒なことは途中でやめてしまうものです。したがって、続けるためにはもっと簡単なことから始める必要があります。例えば「通勤電車では立つ」とか「寝る前に5分腹筋をする」といったことをやる。まずは簡単なことから始めて、それを続けることができたら次のステップに進めばよいのです。 仕事の場面でも同じようなことが起きています。私は、のべ1万人以上の行動実践の状況を見てきましたが、最初から難易度が高い行動をしようとした人のほとんどが途中でやめてしまっています。ハイレベルな行動より、まず簡単なことを続けることのほうが大切だということです。 次に、「食事系」の行動が続かない理由はなんでしょう。それは、食事を制限することは心理的に苦しいからです。「食べない」というのは「◯◯しない」というネガティブな行動です。人間の心理的な特性として「がまんすること」は苦しいので続かないのです。 そこで、「◯◯しない」を「○○する」というポジティブな行動に変えると続けることができます。行動科学の世界でも「人間は気持ちのいいことを継続しようとする」という報告があります。例えば「料理の工夫を楽しみながら、カロリーを抑える」というポジティブな行動なら続きます。「油分を使わない料理はどう作ったらいいんだろう」「豆腐だけでハンバーグを作ってみよう」と創意工夫すると楽しい気分になります。だから続けることができるのです。 仕事においても「絶対にミスをしない」といったネガティブな行動は苦しいものです。ずっと注意していなくてはならず、恐怖や不安を感じながら仕事をすることにはメリットもありません。だから続かないのです。 それよりも「結果的にミスをしないためにはどんな行動をとったらいいのか」と考えると続きます。「事前に仕事の段取りを先輩に相談する」「品質チェックリストを使って、部署全体で確認し合う」など、「○○する」という前向きな言葉の行動こそ続けることができ、結果として「ミスをしなく」なります。 その3:深く考えていない ダイエットを続けていると必ず壁にぶつかります。すんなり目標を達成する人はまれでしょう。がんばっても体重がまったく減らなかったり、体重が増えたり減ったりする、いわゆる踊り場という時期があったり、いろんな行動を試してはまた別な方法に手を出したりと、紆余曲折があるものです。 それは当たり前です。目標達成までの道のりはけっして平坦な道ではありません。紆余曲折があってもまったく問題はありません。目標達成への過程でいろいろ悩むことはむしろよいことです。 問題なのは、起きた現象に対してしっかり深く考えないでスルーしてしまうこと。つまり、体重がなぜ減ったのか、なぜ減らなかったのかを考えていないことです。大切なのは起こった事実の理由をしっかり考えることなのです。例えば「今日はここまで減ったか。よしよし、いい調子だ。でも、もっといい方法がないかな」「あれっ、体重が増えてきたぞ。悔しいなあ。理由はなんだろう?」と深く考えるのです。そして、目標達成の進捗状況や、過程で考えたことを文章化して記録することが大切です。目標達成に向けてしっかり進んでいるのか、進まない理由は何か、別の方法はないか、と検証するのです。 以前、あるダイエットの方法がテレビや雑誌で話題になりました。「日々の食事の内容とカロリーをメモするだけでやせていく」というものです。これは、かなり的を射ている方法です。メモをすることで自分の食事習慣を客観的に見られるからです。それを見て間違いに気づき、行動を改善することができるのです。 ビジネスでもいつも同じような失敗を繰り返す人がいます。一方で、いつもよい仕事をする人がいます。その違いは「1つひとつの仕事をやりっぱなしにしていないかどうか」です。 よい仕事をする人は、起きたことやその原因を文章にして記録し、客観的に検証してよりよい方法を見つけようとします。簡単にできた仕事であっても「うまくいった原因」を追究することで、もっとよい方法を見つけようとします。その結果、成果の高い仕事につながり目標達成も確実になるのです。 ところが、毎日バタバタと仕事をこなすだけで深く考えていない人は、押し寄せてくる仕事の量に追われるだけで仕事の質は一向に上がりません。その結果、目標達成ができない人になってしまうのです。 |
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